建設業の若手採用×TikTok広告|失敗しないための動画戦略とリアルな運用データ
TikTok
2026年6月26日


担当メンバー
ノックデザイン編集部
ノックデザイン編集部
Web制作・運用の現場で得た知見をもとに、ホームページ制作に役立つ情報を日々発信しています。制作のプロが最新情報やノウハウをわかりやすく丁寧にお届けします。

監修者
安田 亮介
SNSコンサルタント
1992年、大阪生まれ。2018年からブログやSNSでの情報発信をスタートし、2年間で総フォロワー5万人以上を獲得。その後、企業のSNS運用・集客支援、採用プロジェクトを経験し、株式会社ノックデザインに入社。
SNS事業責任者として、TikTokやYouTube、InstagramなどのSNSマーケティングを指揮。4年間で累計100アカウント以上の運用に携わり、これまでに制作した動画は10,000本以上。元ライターとしての経験を活かし、コピーライティングやコンテンツ企画を強みに、成果につながるSNS運用を追求しています。
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「採用でTikTok広告は効果があるのか?」。よく聞かれる質問です。この記事では、きれいに整えた成功事例ではなく、実際の運用データそのもので、この質問に答えます。良かった点も、課題が残った点も、かくさずに公開します。
題材は、建設業(施工管理)の派遣・正社員を手がける株式会社暉技術(ひかりぎじゅつ)さんです。20〜30代の若手採用をさらに強めるために、TikTok動画8本を作り、広告として配信しました。
採用広告の事例というと、「応募が◯倍に増えました」という数字ばかりが語られがちです。でも現場で運用していると、「数字は良いのに応募につながらない」という、もどかしい場面にも出会います。この記事では、そのうまくいかなかった部分もふくめて公開します。
この記事で分かること
採用TikTok広告のリアルな数字(CTR1.92〜5.21%・CPC¥8〜17 など)
動画別にどれが効いたか、回を追うごとにどう改善したか
採用ページへの流入が大きく増えたという結果
それでも応募に直結しなかった理由と、採用でTikTok広告を使うときの考え方
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- 広告の設計:何を狙って、どう配信したか
- 4回配信の結果【データ公開】
- 広告全体の数値:合計再生58万回・CTR2.68%・CPC約¥13
- 動画別パフォーマンス:どの動画が効いたか
- 採用ページへの流入は、広告開始で一気に増えた
- データが示した「広告の数字は優秀、でも応募は別問題」
- 広告の数字も、流入も、申し分なかった
- それでも、応募には直結しなかった
- 要因の仮説:TikTokは「いま仕事を探している人」が見る場所ではない
- この事例から学ぶ、採用でTikTok広告を使うときの考え方
- 即応募ではなく「まず思い出してもらう」ための場所と考える
- 広告の先(着地ページ・案内)まで含めて設計する
- 中長期で効く前提で運用・検証する
- よくある質問
- Q. 採用でTikTok広告は効果がありますか?
- Q. 費用はどれくらいかかりますか?
- Q. 応募が増えないのは動画が悪いからですか?
- Q. どんな動画を作ればいいですか?
- まとめ:採用TikTok広告は「広告の数字」より「案内の設計」で決まる
広告の設計:何を狙って、どう配信したか
結果をお見せする前に、まずは「どう設計したか」を共有します。ここを押さえておくと、後半の数字の意味が分かりやすくなります。

目的は、20〜30代の若手の応募を増やすこと。コンセプトは「若手が安心して働ける、建設業界のリアルを伝える」です。このコンセプトで、会社紹介・仕事内容・代表挨拶・社員インタビュー・福利厚生・よくある質問など、計8本を作りました。

大事にしたのは、一発のバズを狙うのではなく、「資産として残し、広告で確実に届ける」こと。バズは運の要素が大きく、また同じように伸ばせる保証はありません。一方、求職者の不安に答える動画は、バズらなくても「採用ページに来た人が見て安心する材料」として長く使えます。建設業という、若手から「きつそう」と思われがちな業界だからこそ、まず不安を消す内容をそろえることを優先しました。1本で全部を伝えようとせず、テーマごとに分けることで、それぞれの動画が「特定の不安に効く」ものになります。動画の企画の立て方は、業種別6社のTikTok企画設計事例も参考になります。※公開後リンク貼る
ターゲットは18〜34歳、エリアは大阪・京都・神戸・東京・神奈川。流れは「TikTok広告→採用サイト→応募」と設計しました。広告費は月10万円×2ヶ月、合計¥200,000。これに運用を加えた形で進めています。
4回配信の結果【データ公開】
ここからは実際の数字です。期間・配信本数・予算を示したうえで、「広告全体→動画別→採用ページ流入」の順に開示していきます。
広告全体の数値:合計再生58万回・CTR2.68%・CPC約¥13
まず広告全体の数字です。配信は5月から6月にかけて、4回に分けて行いました。
配信回 | 期間 | 本数 | コスト | 再生数 | クリック数 | CTR | CPC |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
第1回 | 5/7〜5/14 | 4本 | ¥50,000 | 154,870回 | 2,968件 | 1.92% | ¥17 |
第2回 | 5/19〜5/26 | 4本 | ¥50,000 | 146,504回 | 3,083件 | 2.10% | ¥16 |
第3回 | 6/1〜6/8 | 3本 | ¥50,000 | 167,549回 | 3,606件 | 2.15% | ¥14 |
第4回 | 6/16〜6/23 | 3本 | ¥50,000 | 114,578回 | 5,967件 | 5.21% | ¥8 |
累計 | 5/7〜6/23 | 延べ14本 | ¥200,000 | 583,501回 | 15,624件 | 2.68% | 約¥13 |
注目したいのはCTR(クリック率)です。TikTok広告の業界平均は0.5〜1.5%とされていますが、4回ともそれを上回り、しかも回を追うごとに改善しています。とくに第4回はCTR5.21%・CPC¥8と、序盤の数字を大きく上回りました。配信を重ねながら、刺さる動画を見極めて予算を寄せていった結果です。
CPC(クリック単価)も¥8〜17と低い水準です。求人媒体ではクリック単価が数百円になることも珍しくないので、同じ予算でより多くの人を採用ページへ送れたことになります。「安く、たくさん、採用ページへ送れた」。広告の入り口としては、申し分のない結果でした。最初だけの偶然ではなく、約2ヶ月を通して安定し、しかも後半ほど効率が上がった、というのがポイントです。
動画別パフォーマンス:どの動画が効いたか
次に、動画ごとに見ていきます。役割の違いと、後半の伸びがはっきり出ました。

全期間を通してクリック獲得の主役だったのは「社員インタビュー②」です。4回すべてで配信され、CPCは¥9〜17と安定して低く、毎回クリックを稼ぎました。働く人のリアルな声が、いちばん見られて行動につながったということです。
そして、後半の伸びが目立ちました。第4回では「仕事内容紹介」がCTR5.00%、「よくある質問回答」にいたってはCTR7.01%・CPC¥6と、序盤の倍以上の効率を記録。一方で「福利厚生」は第1回でCTR2.68%とよく刺さったものの、見られすぎて疲れが出て、CPM(1,000回表示あたりの単価)が高くなりました。「会社紹介」はCPMが低く、たくさんの人に届ける土台として機能しました。
ここから見えるのは、複数本を用意し、反応を見ながら強い動画に予算を寄せていく運用の大切さです。配信を重ねるほど「どれが効くか」が分かり、効率が上がっていく。8本そろえておいたことが、ここで効いてきました。
採用ページへの流入は、広告開始で一気に増えた
そして、いちばん分かりやすい成果がこれです。採用サイトのアクセス(セッション数)を見ると、広告前(4月)は1日平均およそ19件でした。
それが、5月7日の配信開始とともに一気に増加。連日数百件に達し、ピークの5月23日には3,964件を記録しました。日によってばらつきはあるものの、広告がHPへの流入を大きく押し上げたことは、データからはっきり読み取れます。動画で関心を持った人を、採用サイトまで送り届ける。この部分については、明確な成功といえる結果でした。
【無料相談】採用でTikTok広告を検討している方へ
「応募者を増やしたい」「若い世代の採用にTikTok広告を試したい」。そんな方に向けて、ノックデザインでは無料相談を行っています。本事例のように、広告の数字だけでなく、着地ページや案内まで含めて設計をご提案します。運用代行は月額25万円〜です。
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データが示した「広告の数字は優秀、でも応募は別問題」
ここからが、この記事のいちばんの山場です。良い数字と、現実とのあいだにあったズレを、正直にお話しします。
広告の数字も、流入も、申し分なかった
まず前提として、CTR・CPC・採用ページ流入のどれも、採用広告として申し分のない水準でした。CTRは4回とも業界平均超えで後半は5%を超え、CPCは有料媒体より大幅に安く、採用ページのアクセスは広告前の数十倍に増えました。
動画のつかみも、採用ページへの案内も、「広告として」は成功していました。ここまでの数字だけを見れば、文句のつけようがありません。
それでも、応募には直結しなかった
ところが、応募の中身を見ると、現実は別でした。期間を通じて「TikTokを見た」とはっきり分かる応募は、60名ほどにとどまりました。面接でSNSを見たか全員に確認できたわけではありませんが、クリック数の割には少ないという印象です。
採用ページにはこれだけ人が来て、応募が少ないというのは、再生数がかならずしも成果に直結しないという現実です。
要因の仮説:TikTokは「いま仕事を探している人」が見る場所ではない
TikTokは、求人サイトと違って「いますぐ転職したい人」が見ている場所ではありません。多くは、ひまつぶしや情報収集として眺めています。だから、見てすぐ応募とはなりにくく、知ってから応募するまでに時間差がある可能性が高いと考えています。
もう一つ大事な点があります。採用ページにはしっかり人が来ているのに、応募まで進んでいない。つまり、課題は「広告→採用ページ」ではなく、「採用ページ→応募」のところにあった、という見立てです。広告は役目を果たしていた。問題はその先にあった、ということです。せっかく流入が数十倍に増えても、着いた先で「よく分からない」「面倒だ」と感じれば、そこで止まってしまいます。
この事例から学ぶ、採用でTikTok広告を使うときの考え方
ここからは、この事例を次に活かせる学びに変えていきます。
即応募ではなく「まず思い出してもらう」ための場所と考える
TikTok採用広告の目標を「応募数」だけに置くと、評価をまちがえます。
TikTokは、まず知ってもらい、転職を考えたときに「そういえばあの会社が…」と思い出してもらうための場所です。求人サイトに広告を出せば、いま積極的に仕事を探している人に届きます。一方TikTokは、まだ転職を本気で考えていない人にまで届くのが強みです。その代わり、見てすぐ応募にはなりにくい。この性質を分からずに「応募数」だけで評価すると、せっかくの効果を切り捨ててしまいます。
広告の先(着地ページ・案内)まで含めて設計する
どれだけ広告の効率が良くても、着いた採用ページや応募の入り口で離れてしまえば、応募は増えません。
今回まさに、その形が起きていました。流入は数十倍に増えたのに、応募までは進まなかった。だから、広告だけで考えるのではなく、「動画→採用ページ→応募」を一つのつながりとして設計し、直していく必要があります。広告の数字が良いときほど、次に見るべきは着地ページです。
ちなみに、TikTokを使った戦略設計の立て方についてはこちらのYouTube動画で詳しく解説しています。よかったらご覧ください。
中長期で効く前提で運用・検証する
数週間や1〜2ヶ月の応募数だけで、TikTok広告の良し悪しを決めるのは早すぎます。
今回も、配信を重ねるほど広告の効率は上がっていきました。配信疲れの兆候を見ながら動画を入れ替え、応募者の属性やサイト内での動きを計測して、直し続ける。採用広告は短期決戦ではなく、検証を重ねて育てていくものです。知ってから応募までに時間差があるからこそ、中長期で効く前提に立って運用することが大切です。
よくある質問
Q. 採用でTikTok広告は効果がありますか?
「広告の効率(流入・CTR・CPC)」という意味では、効果が出やすいです。本事例でもCTR・CPC・採用ページ流入は優秀でした。ただし「すぐ応募」に直結するとは限りません。知ってもらうことと、着地ページの作りをセットで考える。その前提なら、採用で有効な手段になります。広告に頼らず、オーガニックの動画で採用につなげた事例はフォロワー106人で採用できたオカモト電化のTikTok事例で紹介しています。
Q. 費用はどれくらいかかりますか?
本事例では、広告費(月10万円×2ヶ月・合計¥200,000)+運用という形で行いました。実際の費用は、目的・エリア・期間で変わります。運用代行は月額25万円〜ですので、詳しくは無料相談でお尋ねください。
Q. 応募が増えないのは動画が悪いからですか?
かならずしも動画が原因とは限りません。本事例のように、「広告は効いているけれど、着いた採用ページで離れている」というケースは多く見られます。CTRやCPC、採用ページへの流入を見れば、広告が効いているかは分かります。それらが良いのに応募が増えないなら、課題は動画より採用ページや応募フォームにあるかもしれません。まずどこに課題があるかを切り分けることが大事です。
Q. どんな動画を作ればいいですか?
会社紹介・仕事内容・代表挨拶・社員インタビュー・福利厚生・よくある質問など、求職者の不安を消す内容を「資産」として複数本そろえる考え方がおすすめです。本事例でも8本そろえ、反応を見ながら強い動画に予算を寄せたことで、後半は効率が大きく上がりました。1本で勝負せず、複数本を比べて育てることが、長く効く運用につながります。具体的な台本の作り方は採用動画にも使えるTikTok台本マニュアルで解説しています。
まとめ:採用TikTok広告は「広告の数字」より「案内の設計」で決まる
最後に、この記事のポイントを整理します。
広告の数字(CTR・CPC)は、採用広告として十分に出せる(4回ともCTR1.92〜5.21%・CPC¥8〜17、後半ほど改善)。
採用ページへの流入は大きく増やせる(広告前1日約19件→配信中はピーク3,964件)。
ただし、応募・採用は「着地ページ」と「思い出してもらう仕組み」次第。広告の数字だけでは応募は増えない。
TikTok採用広告は、すぐ応募より「まず知ってもらう・思い出してもらう」場所と考える。
動画→採用ページ→応募を一つのつながりとして設計・改善する。
データが示したのは、「広告の数字は優秀、でも応募は別問題」という現実でした。だからこそ、期待値を正しく置き、広告の先にある案内まで含めて設計することが、採用TikTok広告を成果につなげるカギになります。
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