このブログ記事は、ノックデザインが半年間かけてSEOに本気で取り組み、月間2.2万PV・月30件の安定したリード獲得という成果を出すまでのプロセスを、ありのままに記録したものです。私たちがこの取り組みを公開するのは、単なる実績紹介ではありません。「SEOって本当に効果があるのか?」「どう進めれば成果が出るのか?」 そう感じている企業・担当者の方にとって、少しでも実践の参考になればと思っています。また、私たち自身が「成果の出るWebサイトづくり」に本気で取り組んでいるという姿勢を、言葉だけでなく行動で示したいという想いも込めています。なぜSEOに本気で取り組もうと思ったのか(背景)ノックデザインでは、これまでのリード獲得手段として「紹介」と「広告」がメインでした。紹介は信頼性の高い相談につながる反面、件数のコントロールが難しく、月によってはまったく案件がゼロということも少なくありませんでした。広告も記事広告を中心に試していましたが、費用対効果が見合わないことが多く、問い合わせにはつながるもののホットなリードが少ない印象がありました。さらに、広告に頼る構造だと「リード数を増やす=広告費を増やす」という状況になりがちで、結局採算が合わないケースも増えていきました。一方で、私たちは制作リソースを内製できる強みを持っています。受託業務にはどうしても忙しさの波がありますが、空いている時間に「テレアポをしてほしい」とは言いにくい。でも、「学んだことを記事にして、ブログとして公開していこう」は社内でも前向きに受け入れられ、ナレッジの蓄積やスキルアップにもつながる活動として自然に浸透していきました。そこで、これまでのマーケティング施策に代わる新たな柱として、半年間、SEOに本気で取り組むことを決意したのです。過去のSEO施策と、そこで感じた限界実は、SEOへの取り組みは今回が初めてではありません。2022年、SNS運用支援を主軸にしていた時期に、外部ライターに依頼してブログを量産するという形で、一度SEOにチャレンジしていました。しかし当時は、キーワード分析や検索意図の設計が甘く、「とにかく記事を出すこと」ばかりに目が向いていた状態でした。PVが伸びる記事もあれば、まったく見られない記事もあるなど、成果のばらつきも大きく、「何が良くて何が悪いのか」が分からないまま手探りで運用を続けていたのが正直なところです。このとき痛感したのは、やみくもに記事を出しても成果にはつながらないということ。大切なのは“記事の数”ではなく、“戦略”です。設計されたSEOでなければ、手間ばかりかかって成果は出ない。そう強く思い知らされました。Pascal導入の経緯と決め手再びSEOに本気で取り組もうと決意した私たちが、次に考えたのは「ちゃんと設計できる体制をどう作るか」ということでした。世の中にはSEO関連のツールが数多く存在します。しかし多くのツールは、「キーワード調査だけ」「順位チェックだけ」「構成作成だけ」と、機能が分断されているものばかりで、全体を設計・管理できるツールは意外と少ないのが実情です。そんな中で出会ったのが、SEO運用を一気通貫でサポートしてくれる「Pascal」でした。キーワードの分類・構造設計(トピッククラスター)記事構成案の作成支援記事のSEO評価・改善提案サイト構造・内部SEOのスコア分析これらすべてを1つのツールで完結できる。まさに「こういうのが欲しかった」と思えるものでした。さらにサブスクリプション形式で始められたことも後押しとなり、「まずは半年本気で取り組んでみて、成果が出なければやめればいい」と、気負わずにスタートできました。そして実際に、この半年間の取り組みは、ノックデザインでもっとも成果を出したマーケティング施策のひとつになったのです。パスカル公式サイトはこちら記事制作の流れと体制ノックデザインでは、SEO記事を安定して量産しつつ、質を担保するために、以下のような制作フローを明確に定めています。キーワード設計(ピラーページとクラスターページの整理)まずはPascalを活用し、トピッククラスターの設計から始めます。検索ボリュームや難易度、関連性などをもとに、主軸となるピラー記事と、それを補完するクラスターページをリストアップ。全体の情報構造を設計します。記事構成案の作成Pascalが提案してくれる構成をベースに、H1〜H3の見出し、キーワードの意図、想定読者、入れるべき要素を整理し、記事構成書を作成します。執筆(社内+外注ライター)構成をもとに社内のメンバー、あるいは外部ライターが執筆します。外注の場合も、検索意図と自社情報を必ず含めるよう指示し、コピペではない“自分たちの言葉”での記事になるよう心がけています。校正・レビュー執筆後はSEO視点・読みやすさの視点の両方からレビューを実施。Pascalでスコアチェックを行い、内部リンクやタグの最終調整も行います。公開とリンク設計記事を公開する際は、クラスターページからピラーページへの導線、関連コンテンツ同士のリンクを整理し、コンテンツが“点”で終わらず“面”として機能する構造を意識しています。SEOだけに偏らない「リアルな発信」も重視検索順位を上げることだけが私たちの目的ではありません。ノックデザインでは、SEO記事と並行して、ブランドの想いや人となりを伝える広報的なブログ記事にも力を入れています。▼広報ブログお客様インタビュー制作の裏側や企画の背景自社の取り組みの成果共有(今回の記事のような内容)これらの記事は必ずしも検索キーワードを意識していませんが、E-E-A-T(とくに“Experience”)の観点で評価される要素だと捉えています。リアルな経験やストーリーがあるからこそ、「この会社にお願いしたい」と感じてもらえる。私たちはSEOとブランディングの両輪で、ノックデザインというブランド価値を築いていくことを大切にしています。半年で200本。8,000字超のブログを継続的に発信この半年間で、ノックデザインが公開した記事数はおよそ200本。月に30〜35本というペースで、週ごとにコンスタントな記事公開を続けてきました。1記事あたりの文字数は、Pascalが提示する競合分析に基づいて8,000〜10,000字が目安。検索上位の記事と同等、あるいはそれ以上の網羅性・深さを意識した構成です。また、社内で記事執筆を推進するために、以下のような仕組みも整えました。ライティング手当の支給制度半年ごとの表彰ランキング(貢献度の可視化とインセンティブ)最初は社内メンバーの記事制作数がなかなか増えず苦戦しましたが、ブログの重要性や学びをアウトプットする重要性を伝えていくことで、現在では社内文化として定着しつつあります。6ヶ月で得られた成果(数字で見る実績)この取り組みによって、以下のような目に見える成果が出ました。月間PV:7,000 → 22,000超にブログを中心としたオーガニック流入が着実に増え、今では広告に頼らなくても継続的に見込み顧客を獲得できるようになっています。月間リード数:月2〜3件 → 月20〜30件に資料請求や無料相談といったコンバージョンも安定して増加。しかも「ノックデザインでお願いしたい」という指名に近い問い合わせも増え、CVの質も向上しています。上位表示された主なキーワード(一部抜粋)「Studio 制作」:2〜3位「TikTok運用代行」:2〜3位「YouTube運用代行」:7位その他、ロングテールキーワードでも多数の1ページ目表示を達成SEO施策における継続とPDCAの積み重ねが、検索エンジンからの安定的な評価につながったと実感しています。社内にも広がった変化。ライティング力と提案力の向上SEOに取り組んだことで、外部への成果だけでなく、社内にも大きな変化がありました。まず一つは、社員のライティング力・ドキュメント力が明らかに向上したことです。 ブログを書くためには、構成を考え、言葉を選び、読者にわかりやすく伝える力が求められます。このプロセスを通して培われたスキルは、そのまま提案書やマニュアル、議事録といった日常業務にも活かされ、全体のアウトプットの質が高まっていきました。また、社内に「発信する文化」が根付き始めたことも大きな変化です。他のメンバーの取り組みに関心を持ち、知見を共有し合う風土が少しずつ醸成され、会社全体の空気も前向きになったと感じています。さらに、もう一つの大きな進化が「提案力の強化」です。 私たちは今、商談前にPascalを使い、お客様が狙っていそうなキーワードや検索傾向を先回りして分析。そのうえで上位30サイトの傾向を把握し、SEO的に足りていない要素を明確化したうえでヒアリングに臨むようにしています。この事前準備によって、初回の商談から深い提案ができるようになり、信頼感の獲得にもつながっています。成果を支えたのは、サイト構造と内部SEOの見直しコンテンツを量産するだけでなく、内部SEOの改善にも注力してきました。 具体的には以下のような施策を実施しています。Hタグ(見出し構造)の最適化:論理的なページ構成によって、ユーザーにも検索エンジンにもわかりやすい設計に。metaタイトル・ディスクリプションの再設計:CTR向上を意識し、検索結果での訴求力を高める。ピラーページやサービスページの内容拡充:検索意図に対して必要な情報が漏れなく網羅されるよう改善。中でも特に効果を感じたのが、「検索意図に対してページ内容が足りているか?」という観点での見直しでした。単なるキーワードの挿入ではなく、「このキーワードで検索する人が本当に知りたいことは何か?」を徹底的に考え、構成・本文に落とし込んでいく作業。これが、検索エンジンから正しく評価されるための“受け皿”の強化につながったと実感しています。苦労したのは「時間」。SEOは即効性のある施策ではないSEO施策で最も苦労したのは、「成果が出るまでに時間がかかること」です。200本近い記事を制作しても、PVやCVが明確に伸びてきたのは4〜5ヶ月経ってから。SEOは“仕込んで、待って、育てる”施策だということを、まさに実感しました。特にBtoBの場合は、比較検討フェーズが長く、PVからCVへの転換にも時間がかかります。そのため、SEOに取り組むなら「最低半年は本気で続ける覚悟」が必要だと強く感じています。被リンク営業にも取り組み、サイト全体の評価を押し上げたもう一つ、成果を支えた重要な要素が「被リンク施策」です。上位表示された記事をもとに、関連業種や取引先に相互リンクや紹介記事の依頼を行いました。 もちろん、無理なリンク獲得は避け、コンテンツ内容との親和性や信頼性を重視し、自然なかたちでの被リンク構築を意識しました。このような取り組みにより、サイト全体のドメイン評価が高まり、他の記事の検索順位やインデックス速度の向上にもつながってきたと実感しています。今後の展望:まずは年内に5万PV、リード月40件へ今後のノックデザインの目標は、年内に月間5万PVを達成し、月40件のリード(無料相談・資料請求)を安定化させることです。この目標に向けて、引き続き月30本程度のブログを継続的に発信していく方針です。 すでに制作・運用体制は整っており、社内ライティング文化も根づいてきました。 今後はこの取り組みを“広げていくフェーズ”に入り、さらなる成果創出を目指します。私たちは自社サービスに自信を持っています。だからこそ、これからはその価値を正しく届けるマーケティングを一層強化していきます。成果は、次はお客様に還元していきたいこの半年間、自社で本気でSEOに取り組んできたからこそ得られた知見やナレッジ。 今後はそれを、お客様にもどんどん還元していきたいと考えています。私たちも最初は半信半疑でした。でも、数字が動くと、社内の空気が変わり、モチベーションが上がる。その好循環が始まると、Webマーケティング全体が一気に前に進み始めます。だからこそ、まずはお客様にも「最初の一歩」を踏み出していただきたい。 そして、一緒に“小さな成功体験”を積み重ねながら、自走できる状態をつくるサポートをしていきたいと考えています。“作って終わらない”を当たり前にするためにWeb制作の現場では、今なお多くのケースで「作って終わり」になってしまっています。リニューアルしたがアクセスが集まらない問い合わせが来ないまた数年後にリニューアルそして、また何も変わらないこの“リニューアルのループ”を、私たちは終わらせたいです。私たちは、本気でお客様の事業に向き合いWebサイトをつくっています。だからこそ、成果の出ないWebサイトになってしまうことが、心から悔しい。Webは、作って終わりじゃない。作ってからが、本当のスタートです。まずは、始めてみてください。半年でかまいません。正しい方法で本気で取り組めば、半年あればきっと何かしらの成果が見えてきます。 それはPVやCVといった数字だけでなく、社内の意識や仕組みづくり、そしてチームの成長にもつながるものです。完璧を目指す必要はありません。 まずは動いてみる。そして、そこから少しずつ改善を重ねていく。それが、成果につながる最初の一歩です。そして私たちは、これからも“作って終わらない”Webサイトづくりを提案していきます。 その想いを、言葉だけでなく、自分たち自身の行動で証明していきます。