Studioにバックアップはある?安心して使うための基本知識
Studio
2025年12月1日

Web制作を進めるなかで、「以前の状態に戻したい」「誤ってデータを消してしまったかも」という場面は誰にでも起こり得ます。
そんなとき、Studioには編集の履歴を残し、必要に応じて復元できる「バージョン管理機能」があります。
この機能を活用すれば、サイト制作中のトラブルを未然に防ぎ、安心してプロジェクトを進めることができます。
ただし、Studioならではの制限や注意点もあるため、正しく理解したうえでの活用が大切です。
この記事では、Studioにおけるバックアップ管理の基本を整理しつつ、ノックデザインが実際に行っているトラブルを防ぐための工夫をご紹介します。
チーム制作やクライアント案件でも安心して進められるよう、日々の制作に取り入れたいポイントをぜひチェックしてみてください。
- Studioにバックアップ機能はあるのか?
- Studioのバージョン管理機能の基本
- ページ単位、パーツ単位では復元できない点に注意
- CMSやフォームなど一部のデータは保存対象外
- 履歴の保存期間はプランごとに異なる
- Studioで注意したいバックアップに関するエピソード
- 間違って上書きしてしまったら
- 自動保存機能と知っておきたいこと
- トラブルを防ぐための事前準備が重要
- 押さえておきたいバックアップ運用方法
- ページを複製して編集に入る運用が基本
- チーム共有時にも事故が起きにくい工夫を
- バージョン保存のタイミングにルールを設ける
- プランによる保存期間の違いに注意
- バージョンの保存期間比較
- 保存期間が短い場合の対策とは?
- プロジェクトの長期運用にはプラン設計も重要
- まとめ
Studioにバックアップ機能はあるのか?
Studioには、制作中の編集内容を「バージョン」として保存し、必要に応じて過去の状態に戻せるバージョン管理機能があります。これはいわば、Studioにおける“バックアップ的な役割”を果たす重要な仕組みです。
自動保存に加えて、任意のタイミングで手動保存もできるため、作業の節目で記録を残しておけば、万が一のトラブルにも備えやすくなります。
ただし、復元できる範囲や保存期間には制限があるため、あらかじめ注意しておく必要があります。ここからは、Studioのバージョン管理機能が持つ特徴と、利用時に注意すべきポイントを解説していきます。
Studioのバージョン管理機能の基本
Studioのバージョン管理機能は、編集履歴を「バージョン」として保存できる仕組みです。制作作業をしている間、Studioは自動で編集内容を保存していますが、それに加えて任意のタイミングで手動保存することも可能です。
このとき、保存するバージョンに名前を付けて管理できるのがポイントです。たとえばYYYYMMDD形式を使用して「20250817_project」や、バージョン番号を使用して「ver.1.0」など、制作の区切りごとに名前を付けて保存しておけば、必要なタイミングで直感的に過去の状態を見つけて復元することができます。
保存されたバージョンは、Studioの画面右側パネルの「履歴」タブを開くことで確認・復元が可能です。作業中に誤って要素を削除したり、デザインを大きく変更してしまった場合でも、この機能を使えばある程度のところまで安全に戻すことができるというわけです。

「履歴」タブ右上にある+ボタンをクリックすることで、簡単にバージョン履歴を追加することができます。後で見返した際に分かりやすい名称で保存しておくと便利です。

プロジェクトの運用を行ううえで、このバージョン管理機能は非常に重要な役割を担っています。制作を進めるなかで、定期的な手動保存を習慣化しておくと、いざというときの安心につながります。
ページ単位、パーツ単位では復元できない点に注意
Studioのバージョン管理は便利な反面、復元できる範囲には制限があります。もっとも大きな特徴は、サイト全体が一つのバージョンとして保存されるという点です。つまり、「この1ページだけ前の状態に戻したい」「このセクションだけ以前のデザインに戻したい」といった部分的な復元には対応していません。
たとえば、複数のメンバーが同時に別のページを編集していた場合、一人が誤って保存前の状態に戻そうとすると、他の編集内容もまとめて巻き戻ってしまう可能性があります。これは、共同作業や複数ページにまたがる大規模なWebサイト制作では特に注意が必要なポイントです。
また、Studioでは特定のパーツ(ボタン・テキスト・セクションなど)だけをピンポイントで復元することもできません。削除してしまった要素や上書きしたレイアウトは、該当バージョンに遡ってプロジェクト全体を丸ごと復元する必要があります。
こうした仕様を正しく理解していないと、「バージョンがあるから大丈夫だと思っていたのに、思い通りに戻せなかった」といった状況にもなりかねません。Studioのバージョン管理機能はページ・パーツ単位のバックアップではないことを認識し、適切に履歴を残していく運用が求められます。
CMSやフォームなど一部のデータは保存対象外
Studioのバージョン管理機能では、デザインエディタで編集できるデータや設定は保存できますが、一部のデータは対象外となっています。以下のようなデータは、バージョン履歴に含まれないため注意が必要です。
CMSモデルやアイテム、コレクション、プロパティ、フォームデータなどのダッシュボード内で管理するデータ
「アップロード」タブ内の画像情報(※ページ上に設置された画像は復元されます)
こうした情報は、バージョンを復元しても過去の状態に戻すことができません。重要なデータは別途バックアップしておく運用を心がけましょう。
履歴の保存期間はプランごとに異なる
Studioのバージョン管理機能はどのプランでも利用できますが、保存される期間には違いがあります。無料プランでは短期間、上位プランになるほど長期間の履歴が保持される仕組みです。
※具体的な保存日数やプランごとの違いについては、後述のセクションで詳しく解説します。
Studioで注意したいバックアップに関するエピソード
バージョン管理機能が備わっているとはいえ、Studioではいつでも好きな単位で戻せるというわけではありません。
実際に制作中、「戻したいのに思い通りに戻せない」「保存していなかったからやり直しが効かない」といったヒヤリとする場面に直面したことがある方もいるのではないでしょうか。
ここでは、筆者自身が実際に経験したバックアップに関するトラブルや気づきをもとに、Studioのバージョン管理機能をより効果的に活用するために、事前の備えと意識しておきたいポイントをご紹介します。
間違って上書きしてしまったら
筆者が過去に経験したのは、バージョン履歴を使って戻そうとした際に、うっかり“戻しすぎてしまった”というケースです。
進行中だった編集作業があったにもかかわらず、それ以前の状態まで巻き戻してしまい、作業中の内容もすべて消えてしまう形になってしまいました。
気づいたときにはすでに遅く、どの部分がどう変わったのかを見比べないといけない状況に。幸いにも編集箇所が多くなかったため、記憶をもとに再度構築して事なきを得ましたが、もし作業量が多かった場合には、大幅な手戻りにつながっていた可能性もあります。
この経験をきっかけに、筆者は複数のメンバーが関わるプロジェクトや、クライアント対応中の案件では、特に履歴操作に注意を払うようになりました。
また、同様のリスクを避けるために、現在では編集前にページを複製してバックアップを取っておくといった、Studioのバージョン管理機能に加えて別の“バックアップ的対策”を併用する運用を取り入れています。
自動保存機能と知っておきたいこと
Studioには、自動でバージョンを保存する仕組みが備わっています。以下のような操作を行った際、自動的に履歴が記録されます。
操作を50回行ったとき
サイトの公開・更新時
過去のバージョンに復元したとき
これらの自動保存は、基本的に保存した日時で名称が登録されるため、あとから見返す際に目的のバージョンを見つけづらくなることもあります。
特に、進行中のプロジェクトで多くの編集を行っている場合、目的の履歴を探すのに手間取ったり、誤って古い状態に戻してしまったりする可能性も考えられます。
また、Studioにはバージョン間の差分を比較する機能がないため、「どこがどう変わったか」を復元前に確認することはできません。そのため、復元操作は基本的に制作者自身の記憶や、外部ツール(Figmaなど)をもとに判断する必要があります。
こうした点から、自動保存はあくまで「最低限の保険」として捉え、重要な節目では手動で名前をつけて保存しておくことが推奨されます。
トラブルを防ぐための事前準備が重要
これまで解説したように、Studioのバージョン管理機能は非常に便利な一方で、戻せる範囲や保持期間に限りがあるという側面があります。
実際の制作現場でも、「戻したいのに戻せなかった」「巻き戻しすぎて作業内容が失われた」といった思わぬトラブルが発生することもあります。
こうしたトラブルを避けるためには、バージョン管理の仕組みを正しく理解したうえで、あらかじめ備えておくことが何よりも大切です。
Studioの仕様に対して「こうすれば柔軟に使える」という視点を持ち、制作フローに沿った運用ルールを整えておくことで、不要なリスクを最小限に抑えることができます。
次のセクションでは、筆者自身が日々実践している「Studioでのバックアップ的な運用方法」について具体的にご紹介していきます。
押さえておきたいバックアップ運用方法
Studioのバージョン管理機能をより安心して活用するには、Studioの仕組みに合ったかたちで、日頃から備えておくことがポイントになります。
万が一のトラブル時に「戻せない」といった事態を避けるためには、事前のひと手間が確実なリスク回避につながります。
このセクションでは、実際の制作現場でも役立つバックアップ運用の基本として、ノックデザインでも実践している具体的な方法をご紹介します。
ページを複製して編集に入る運用が基本
Studioでは、編集に入る前にページを複製しておく運用を習慣化することで、万が一のトラブルにも柔軟に対応できるようになります。
ページ単位での復元ができないStudioにおいては、このひと手間が実質的な“バックアップ”の役割を果たす重要な対策となります。
たとえば、既存ページを直接編集してしまうと、元の状態が失われてしまうリスクがありますが、編集前に複製しておけば、元データをいつでも参照・復元できる状態を保つことが可能です。特に構成変更やビジュアルの大幅な見直しなど、作業の影響範囲が大きくなる場合には、この手順が欠かせません。
複製したページには、「_new」「_draft」などのわかりやすいラベルをページ名に加えることで、現在作業中であることが一目で把握でき、チーム間の認識ズレや誤編集の防止にもつながります。
非常にシンプルな方法ですが、トラブル発生時には確実な保険となる方法です。バックアップ機能が限定的なStudioにおいて、まず最初に取り入れておきたい基本的な対策と言えるでしょう。
チーム共有時にも事故が起きにくい工夫を
Studioでは、複数人での共同制作もスムーズに行える設計になっていますが、複数メンバーが同時に編集可能な反面、操作ミスや認識のズレによるトラブルが起こりやすい環境でもあります。
とくに、意図せず他の人の作業を上書きしてしまったり、作業中のページを誤って公開してしまうといったリスクは、プロジェクトの規模が大きくなるほど顕在化しやすくなります。
こうした事態を防ぐためには、前述のとおり作業中のページ名に明確なラベルを付けて管理することが効果的です。
たとえば、「TOP_draft」「service_fix_240817」など、ページ名に編集状況や日付を含めることで、チーム内で「どのページがどの状態か」が視覚的に把握しやすくなります。
また、SlackやNotionなどの外部ツールを併用して、現在誰がどのページを編集しているかを簡易的に共有しておくだけでも、編集の重複や誤操作のリスクは大幅に軽減できます。
小規模なチームであっても、「触っていいページ / 触らないページ」が明確になっているだけで、安心感は格段に上がります。
Studioは非常に直感的で柔軟なツールですが、チーム制作においては“暗黙の了解”に頼らない明示的なルール設計が、より安全でスムーズな進行につながります。
バージョン保存のタイミングにルールを設ける
前述のとおりStudioには、任意のタイミングでバージョンを手動保存できる機能があります。
この便利な機能を活かすためには、「どの場面で保存しておくか」をあらかじめ決めておくことが大切です。
たとえば、以下のような場面での保存をあらかじめ決めておくことで、必要な履歴を見失うリスクを軽減できます。
クライアント提出前(フィードバック前の状態を残す)
大きなデザイン修正を行う前(構成が大きく変わる場合)
公開直前(最終確認用の状態を固定)
チームへの共有前(意図を明示するための保存)
また、編集するページやコンテンツが増えてくる制作中盤以降では、履歴の管理が複雑になるため、「重要な節目ごとに保存する」など、状況に応じた運用ルールを決めておくと安心です。
Studioを安心して使い続けるためには、こうした日々の小さな判断を仕組み化することが重要です。
プランによる保存期間の違いに注意
Studioのバージョン管理機能は、どのプランでも利用できる機能ですが、実は「どこまで過去にさかのぼれるか」には大きな違いがあります。
このバージョンの“保持期間”の違いを把握しておかないと、「保存したはずの履歴が見られない」という予期せぬトラブルにつながることもあります。
このセクションでは、各プランごとの保存期間の違いと、それに応じた対応の考え方について整理します。
バージョンの保存期間比較
Studioのバージョン管理機能はすべてのプランで利用できますが、保存される履歴(バージョン)の保持期間にはプランごとの制限があります。これを知らずに使っていると、「以前保存したバージョンが消えていた」といった事態になることもあるため、注意が必要です。
たとえば、無料プラン(Free)では保存期間が1日しかなく、Miniプランでも5日間にとどまります。Personalプランなら30日、Businessプランでは120日、Business Plusなら最大360日まで履歴が保存されます。Enterpriseプランの場合はカスタム対応です。
プラン名 | 期間 |
|---|---|
Enterprise | カスタム |
Business Plus | 360日 |
Business | 120日 |
Personal | 30日 |
Mini | 5日 |
Free | 1日 |
保持期間を過ぎたバージョンについては、データ自体はStudio側に保存されているものの、現在のプランではアクセスできない状態になります。その場合、必要に応じて上位プランへアップグレードすることで、過去のバージョンをさかのぼって確認・復元することが可能です。
こうした仕様をふまえて、プランごとの保存期間を意識しながら、状況によりプランのアップグレードを検討するなどの対策をとっておくと、より安心して制作を進められます。
保存期間が短い場合の対策とは?
Studioのバージョン管理は便利な一方で、プランによって保存期間に制限があります。特にFreeプランでは「1日」、Miniプランでも「5日」と非常に短く、少し気を抜くだけで必要な履歴が消えてしまう可能性があります。
そのため、保存期間が短いプランを利用している場合は、日常的なバックアップ対策を意識することが大切です。具体的には、次のような対策が有効です。
編集前にページを複製しておく
バージョン履歴とは別に、ページ単位で編集前の状態を保持できます。プロジェクト自体を複製する
特定フェーズで区切って保存したい場合、プロジェクト単位での複製も有効です。
これらの対策を組み合わせておけば、保存期間に縛られずに安心して制作を進めることができます。プランのアップグレードが難しい状況でも、日々の運用でカバーできるポイントは十分にあります。
プロジェクトの長期運用にはプラン設計も重要
Webサイトの制作や運用は、短期間で完結するものばかりではありません。サイト立ち上げから運用・改善、リニューアルといった長期にわたるプロジェクトも多く、そうした場合には「バージョンの履歴をどこまで残せるか」が安心感に直結します。
特に複数人での共同作業や、定期的なフィードバックをもとに段階的に内容を更新していく案件では、過去の状態に戻す必要が出てくる場面も考えられます。そうしたとき、保存期間の短いプランでは履歴が消えてしまい、復元が難しくなるリスクがあります。
プロジェクトが長期化する見込みがある場合や、こまめに履歴を残したい運用体制であれば、最初から上位プランを選んでおくのもひとつの判断です。たとえば、Business Plusプランでは360日分の履歴が保持されるため、1年分のバージョンをさかのぼって確認できます。
プロジェクトの規模や期間、関わるメンバー数などに応じて、保存期間も含めたプラン選びを行うことが、安心できる制作環境づくりにつながります。
まとめ
Studioのバージョン管理機能は、日々の制作を安心して進めるうえで心強い仕組みです。一方で、復元の範囲や履歴の保存期間には一定のルールがあるため、そうした特性を理解したうえで、適切に運用していくことが大切です。
特に共同作業や長期にわたるプロジェクトでは、万が一に備えたページの複製や、バージョン名の工夫など運用ルールを工夫することで、不要なトラブルを未然に防ぐことができます。
今回ご紹介した内容を参考に、日々の制作にもぜひ取り入れてみてください。
ちょっとした工夫が、万が一のトラブルから大切な作業を守る備えになります。
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担当メンバー
酒井 万梨子
Webデザイナー
大学卒業後、農業法人に就職し、在職中にデザインに興味を持つ。その後フリーランスでWebデザイナーとして活動し、ノックデザインに入社。現在は、主にWebを中心としたデザイン業務に携わっております。
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