株式会社ノックデザインでデザイナーをしております川口です!この度、日本酒スタンドのロゴデザインに携わらせて頂きましたので、今回はどのようにしてロゴができたのか紹介させて頂きたいと思います!依頼の経緯今回依頼頂いたのは、以前キッチンカーのデザインでお世話になったお客様です。この度新しく日本酒のスタンドをオープンされるとのことで、それに伴いロゴのデザインを依頼頂きました。前回に引き続き、再度デザインを依頼頂けたことに感謝しながら、今回もアイデアの段階からデザインさせて頂きました。デザインの概要今回デザインするのは、前述でも触れた通り日本酒スタンドの「SAKEスタンド1-1」さんのロゴデザインです。以前のキッチンカーでも担当した「たこ焼1−1」さんと同じお客様ですが、たこ焼のロゴとの統一感は無くて良いため、一からデザインさせて頂く形になります。以下が送って頂いた内容やヒアリングの内容です。2種類のロゴが必要(①ロゴ単体②ロゴの後ろに『1-1』が入っているものの2種)若い人向けというよりは、日本酒を嗜む層に向けての展開たこ焼との統一感は無くていい色や形などの指定も特に無し9月の初週に間に合わせたい依頼いただいたのが8/25だったため、前回よりタイトなスケジュールで、9月の初週に間に合わせる必要がありました。というのも、9月に別で構えていらっしゃるお店がテレビ取材を受け、放送されるのが9月の上旬のため、お客さんの増加が見込まれることからそれに間に合わせたいとのことでした。依頼いただいた週中に完成を目標に、早速ラフデザインに取り掛かります。ラフ案①日本酒のロゴとのことで、まずは連想できるものとして、日本酒の伝統的な要素や視覚的なモチーフを考えました。瓶、おちょこ、米(稲)などがモチーフとしてあげられ、カラーリングとしては少し高級感を出したいため、白や黒のように落ち着いた色、ワンポイントで金や赤を入れるなどです。これを踏まえて最初に考えていた案が以下です。モチーフとしてあげた瓶やおちょこ、稲などを使ったものの、私自身日本酒にあまり馴染みがなく、調べて出た元あるデザインにかなり引っ張られてしまい何のモチーフを表現しているのか分かりにくく感じました。ロゴというよりはエンブレムや商品ラベルのようにも見えます。代表の田島さんにもアドバイスを頂き、手描きのラフ案でもう一度検討し直しました。手描きなら、考えながらすぐに手を動かしてアイデアを出すことができるからです。(私はいつも手描きのアイデア出しにはiPadを使用しています)見つけた課題そもそもロゴというのは、一目見てこのブランド・企業・商品とわかるようなものが理想です。パンフレットなどのように情報を詰め込むよりも、誰もがわかるシンプルさが必要になってくるとともに、企業理念やそのロゴをデザインした意図など中身が大事になってきます。私が今回最初にデザインしたものは、ロゴにしては情報量を詰め込みすぎてており、複雑化していた印象です。今回の反省点から改めてロゴというものを再認識するきっかけになりました。ラフ案②以上の反省点を踏まえて、手描きでラフ案をいくつか作成しました。それぞれのロゴの意味も合わせて表記している案です。基本的には瓶やおちょこ、稲や米など最初にモチーフとしてあげていたものはそのまま使用していますが、反省点にあった、詰め込まれている情報量を減らすために、それらをシンボルマークとして選び作成しました。また、①の案は直線的な表現が多く堅い印象だったため、手描きで線の強弱を出すことで温かみを表現しています。それ以外にも、店名をデザインに入れたかったため、ロゴには必ず『1-1』を入れるという条件で作成しています(赤色で示しているところ)。最終決定以上を踏まえてお客様に確認して頂き、ラフ案②の左縦一列が一番イメージに近いとのことでしたので、こちらをベースに再度作成しました。具体的には、Aiで清書したものと、「ラフの雰囲気を残したものも見たい」とのことでしたので、手描きのバージョンも作成しています。カラーバリエーションは、黒地のものにも使用する可能性があるため色があるものも見たいとのことで、紺色と黄色の組み合わせを増やしました。上記を踏まえて文字の大きさなど細かい部分を修正し、以下の4点を納品いたしました!黒地のものでも使えるように紺のバリエーションも作成し、お店の文字やイラストは私の手描きで仕上げています。あくまでもお酒の「スタンド」がメインになるようにとのことで、スタンドの文字を大きくしました。1-1という店名なので、1:1で飲んでいる様子を双方から注ぐ瓶で表現し、視覚的にも注がれている日本酒が1と1になるよう考えております。また、前述した通り、手描きにしたことで温かみが加わり、日本酒の親しみやすさを表現できていると思います。ロゴデザインの案件を受けて今回ロゴデザインの案件を受けて、改めてロゴが持つ意味や、ラベル・エンブレム等との違いを再確認することができました。最初は自身の認識が甘く少しロゴとは違うものを考えてしまっていましたが、改めてロゴというものの認識を変えることで、お店の顔になるものとしてロゴひとつにたくさんの意味を込めて作成することができました。また、自身の得意分野である絵を活用した案件ができて大変嬉しく思います。この貴重な機会を忘れず、またお客様から依頼いただけることがあれば、次回もお客様の期待を超えるデザインを提供できるよう、今回の経験を活かしてより良い提案をしていきたいと思います。最後までお読み頂きありがとうございました。『SAKEスタンド1-1』は大阪でオープン予定です。見かけた際にはぜひお立ち寄りください!