「ここの商品高そうだな」「ここは質が良さそう」など、ホームページを見て思ったことはありませんか?値段や内容を詳しく見たわけでもないのに、リッチなデザインが施されていると、必然的に商品やサービスの質が見えてきます。ホームページは企業の顔になると言われており、どの企業も共通して大切なコンテンツの一つですが、質の高い商品やサービスを提供する企業にとっては特に、ホームページの第一印象は大きく影響してきます。本記事では、高級感のあるデザインがユーザーにとってどのような影響を与えるのか、そして、どうすれば高級感のあるイメージを与えることができるのかの両面に焦点を当てて解説して行きます。高級感のあるデザインとは?そもそも、高級感のあるデザインとは、一体どういうものなのでしょうか。「高級」にも様々な種類があり、商品の値段が高い物理的な高級さと、丁寧で細かいところまで行き渡ったサービス等、リッチな体験面での高級さがあります。他にも、女性向けのブランドと男性向けのブランドでデザインが変わることもあれば、ターゲットの年齢層でも変化が生じることがあります。まずは、高級感のあるデザインにはどのような共通した特徴があるのかについて探って行きましょう。今回は以下の3点に絞って解説して行きます。1. 高級感のある色使い高級感のあるデザインでは、基本的に彩度の低い色が使用されることが多いです。上の図は、左右同じ色を使用し、彩度のみ落としたもので比較しています。左の彩度が高いものはポップさや可愛らしさが出るのに対して、右の彩度を下げたものはかなり落ち着いた印象を与えるかと思います。これは有彩色に限らず、無彩色でも暗いトーンの配色をすることで落ち着いたシックな印象を与えられます。ですが、必ず彩度の低い色を使用しないといけない訳ではありません。彩度を落とせばリッチで落ち着いた印象を与えることはできますが、派手でゴージャスな「高級感」も存在します。例えば、赤色にゴールドの配色や、大胆な花柄などは、彩度が高くゴージャスなイメージです。あくまでも一例のため、使用する場面によって、最適な色を選ぶようにしましょう。2. 高級感のあるフォント高級感のあるデザインには、テキストにも配慮が必要です。いかがでしょうか。上記2つともテキストサイズや色、レイアウトは同じですが、フォントが異なるだけで大きく印象が変わるかと思います。ゴシック体は、親しみのある読みやすいフォントであるのに対して、明朝体は、線に緩急がありしなやかなフォントのため、上品で落ち着いた印象を与えます。高級感のあるデザインならではの洗練された雰囲気を出すためにも、フォント選びには気をつけたいです。商品やサービスによっては、テキストの太さやサイズなどにも気をつけましょう。3. 高級感のある余白の使い方デザインにおいて余白の使い方は、ホームページの視認性に繋がるため非常に重要です。これを応用することで、高級感のあるラグジュアリーさへと繋げて行きます。適切な余白を取りつつ、通常より広めに使うことで、余裕のある大人っぽい雰囲気を与えることができます。逆に、情報量が多く余白の少ないデザインでは、視認性が悪く、そもそもデザインとして成り立たなくなってしまいます。提供する商品やサービスのイメージに合わせて、余白をうまく使うことも、高級感のあるデザインを作成するにあたって重要です。高級感のあるデザインにも種類がある特徴でも述べましたが、「高級感」と言っても、商品や企業のブランドイメージによって少し異なります。イメージがより具体的に伝わるように、大きく以下の3つに分けてみました。1. 【高級感の種類1】派手できらびやか誰がみてもわかりやすく「ゴージャス」という言葉が似合う印象です。主張が他のデザインと比べて少し激しいので、落ち着いた年齢層というよりは、比較的若年層に受け入れられるデザインです。「◯◯プレミアム」や「リッチな〇〇」などのキャッチコピーが付くような、身近な食品などに使用されているものが、イメージが付きやすいのではないでしょうか。2. 【高級感の種類2】スタイリッシュ主に黒系統や暗い色で構成されたデザインで、落ち着いた雰囲気からクオリティの高さや最先端といったイメージを与えられます。男性向けのブランドに多く見られる系統で、中年層のユーザーに好まれます。高価な腕時計や、スーツなど、男性の身だしなみに関わるものが特に多い印象です。高級感とともに、信頼感も与えることができる系統なので、業種によってはBtoBの企業サイトでも応用できます。3. 【高級感の種類3】シンプル上記2つはイメージがハッキリ固まっていますが、そうではない、どのユーザーにも当てはまるようなシンプルかつ高級感のあるデザインです。不特定多数をターゲットにしているため、この系統が一番多く感じます。老若男女問わず使用できる高価な商品などでよく見られるデザインです。彩度が低く淡い色使いや、情報の整理されたレイアウトが特徴で、洗練された雰囲気を与えます。高級感のあるデザインが光る業種では、高級感のあるデザインが良い影響を与える業種にはどんなものがあるのか見て行きましょう。1. ホテル・旅館ホテルや旅館は、高品質な宿泊できる環境とサービスを主に提供している分、ホームページも高級感が伝わるデザインでないと、ブランドの説得力に欠けてしまいます。特に星がつくような高級ホテルのホームページがしっかり作られていないと、ユーザーは価格に見合う安心感を得られず、予約にもつながりません。調べた際に、「ここに泊まりたい」と思わせるような、信頼感とラグジュアリーさが伝わるデザインが必要です。2. 服・アクセサリーなどの小物ファッションブランドのホームページでは、主にハイブランドと言われるような、高価な商品が揃っている店舗で特に見られるデザインです。中には、商品というよりもブランドに価値があるとして購入する顧客も多く、信頼が非常に大切な場面です。リーズナブルな商品もたくさんある中で、高級ブランドの商品を選ぶ顧客の立場で考えると、ホームページからも「妥当な価格だ」と思われるデザインは必要になってきます。3. 化粧品や美容グッズファッションと少し似ているところがありますが、こちらもブランによっては高価な商品を取り扱うことが多い業種です。リーズナブルな商品との差別化のためにも、ホームページのデザインからこだわり、ブランドの価値を高めることが必要になってきます。美容に関しては、商品だけでなく医療等にも通ずるところがあるので、安心感・信頼感も同時に訴求できるデザインが望ましいと言えます。4. 高級車メーカー車を取り扱うメーカーでも高級感のあるデザインをよく用います。簡単に購入できる価格帯ではない商品な上に、顧客によっては一生に一度の買い物になる可能性も充分にある業種です。デザインだけでなく、命に関わる商品でもあるので、機能性や安全性の信頼も同時に訴求する必要があります。洗練されたデザインは必要不可欠です。高級感のあるホームページ12選以上の特徴を踏まえて、実際に高級感のあるホームページにはどんなものがあるのか、事例を紹介して行きます。では早速見てみましょう。1. Diorhttps://www.dior.com/ja_jp/beautyDiorは、衣服からバッグなどの小物、化粧品までを手がけるフランス発祥のハイブランドで、女性人気の高い商品が多い印象です。参考は化粧品ページで、写真を大胆に使用しておりインパクトがあります。詳細ページでは、顧客の期待値を上げる高品質な参考画像がふんだんに使われていますが、対照的にテキストはモノトーンで主張しないサイズを使用していることにより、メリハリが生まれてリッチな印象です。2. GUCCIhttps://www.gucci.com/jp/ja/GUCCIは、衣服や小物類などの革製品、香水、時計、宝飾品などを取り扱っており、年齢性別問わず人気のあるブランドです。メインビジュアルでは大胆に商品画像とロゴが表示され、スクロールに伴ってヘッダーで追従するアニメーションが付けられています。商品画像一つ一つが、商品に合ったインテリアやモデルを起用して作成されており、こだわりを強く感じます。サービス内容のサムネイルには動画が用いられており、イメージがつきやすい且つブランドへの信頼感を与えます。3. Brianzahttps://www.brianza.jp/index.html(制作:株式会社ノックデザイン)株式会社Brianzaは、主に高級バッグブランドを取り扱うECサイトを運営し、複数のブランドの販売を行なっている企業です。ターゲットである中年層へ訴求するために、基本的にモノトーンで配色されており、落ち着いた印象を与えています。メインビジュアルでは、取り扱うブランドの商品写真をスライドショー形式で表示。以降は余白を上手く使い、「余裕のある大人の持ち物」を演出しています。4. リッツカールトンhttps://www.ritzcarlton.com/ja/リッツカールトンは、世界的に名高い高級ホテルです。世界中に展開しており、2025年3月時点で、日本には7ヶ所存在します。充実した環境設備と隅々まで行き渡るサービスで、数々の賞を受賞しており、「高級感」という言葉にピッタリの企業です。メインビジュアルには、世界中の様々な土地の魅力と、その土地で滞在するイメージが湧くような写真が大きく用いられており、顧客の期待値を上げるデザインです。宿泊地別でそれぞれ作成されたサイトでは、非日常を味わえるかのようなキャッチコピーが綴られています。5. セントレジスhttps://st-regis.marriott.com/ja-JP/セントレジスは、アメリカのニューヨークが発祥の、「洗練されたサービス」と「格式高い雰囲気」を提供する世界的に有名なホテルです。高品質な写真を大きく使用しているのとは対照的に、控えめなテキストサイズで洗練されたイメージを強調。さらに、背景の幾何学模様が上品な印象づけをしています。ヘッダーのメニューには「カルチャー」というカテゴリーがあり、お酒や香りなど、ブランド独自で取り扱っている商品の紹介が、細部までのこだわりを感じます。6. ロールスロイスhttps://rolls-roycemotorcars-apac.com/jp/ロールスロイスは、世界的にも有名なイギリスの超高級車メーカー、航空・エンジン製造企業で、全てハンドメイドで作られるのが特徴です。メインビジュアルには動画を使用しており、車の疾走感と、ロールスロイスのスタイリッシュでかっこいいイメージを感じさせるデザインです。車種別に画面いっぱいに高品質な写真を使用してダイナミックな印象を与えつつ、テキストは細いフォントを使用することでメリハリがついてリッチな雰囲気を与えています。7. 1002https://www.1002.co.jp/株式会社1002は、クラシック音楽を中心としたコンサートや各種音楽イベントのプランから実施運営まで一貫したプロデュース業務を行う会社です。ブラウン系で統一されたシックなデザインが目をひき、明朝体を中心とした上品なフォントと高品質な画像を合わせて構成されています。スクロールの速度がゆったりとしている点も、クラスシック音楽を彷彿とさせる演出になっています。8. RL waffle cakehttps://rl-waffle.com/ワッフルケーキ専門店のエール・エルのホームページです。基本的に黒一色と商品の写真で構成されているページで、ロゴにも使われている赤色をアクセントカラーとして取り入れています。コンテンツ同士の区切りがはっきりしていないことで、重厚感が演出されており、商品名と短い説明の必要最低限の情報のみで構成することで、商品をグッと引き立てています。9. Ear COUTUREhttps://earcouture.jp/ポータブルオーディオショップのEar COUTUREのホームページです。モノクロを基調としており、高品質な写真を大きく使用することで、商品の音質の良さを訴求しています。メニューバーの商品カテゴリーでは、ホバーで商品の写真がフェードインするアニメーションが付けられており、リッチで製品の高級感を醸し出しています。10. リンナイhttps://www.rinnai-dishwasher-weblimited.jp/stainless-door/リンナイは、日本の大手ガス機器メーカーです。食器洗い乾燥機の商品紹介ページで、黒やグレーの色使いが洗練された高級感を演出しています。無駄な装飾がなく、余白を大きくとっているので、見やすい導線で商品が目立つ構成になっています。食器洗い乾燥機のカラーリングがスクロールで変わるつくりもスマートです。11. 高松伸建築設計事務所https://takamatsu.co.jp高松伸建築設計事務所は、日本の建築家高松伸(たかまつ しん) 氏が主宰していた建築設計事務所です。高品質な写真と、必要最低限の情報量でシンプルにまとめられています。モノトーンの配色に明朝体が使用されており、写真が目立ちつつも内容の視認性も高く見えやすいデザインです。スクロールや画像切り替えのアニメーションもスムーズで、落ち着いた高級感があります。12. 株式会社中村製箔所https://nakamura-seihakusho.co.jp/株式会社中村製箔所は、石川県に拠点を置く金箔の製造元です。金箔という高価な商品を取り扱っていることもあり、使用されている写真の金色と、白や黒のモノトーンでリッチな配色になっています。充分な余白をとっていることで商品が際立ち、金箔の貴重さが伝わるレイアウトです。まとめ高級感のあるデザインでブランド価値を高める事例や特徴でも紹介したように、高級感にもいくつか種類があり、シーンで使い分ける必要があります。金・銀色や派手さも勿論、高級感を構成する要素ではありますが、余白を広くとることでも、ゆったり落ち着いた印象を与えることができ、色使いとフォントを意識するだけでもスタイリッシュなデザインを実現できます。ホームページは企業の第一印象・顔と言われる大切なコンテンツの一つです。商品やサービスの価値を最大限にユーザーへ伝えられるよう、ホームページ制作まで意識して、ブランドを構築していきましょう。