近年、Web制作やアプリ開発の業界で「ノーコード」という言葉をよく耳にするようになりました。一昔前までは、Webサイトを開発するためには、プログラミング言語の知識が必須であり、初心者が取り組むにはハードルが高かったのですが、それがノーコードの出現により一変しました。そして、その中で特に注目されているツールのひとつが「STUDIO」です。この記事では、STUDIOというノーコードツールが一体何なのか、どのようなことができるのか、そしてどのようなことができないのか、といった疑問を解消していきます。Web制作を始めたいと考えている初心者の方や、効率的にサイトを開発したいプロの方まで、幅広く参考にしていただける内容となっておりますので、ぜひ最後まで読んでいってください。STUDIOとは?STUDIOは日本発のノーコードツールで、これを用いるとオリジナルデザインのWebサイトをコードを書かずに制作できます。その上、制作後の運用もシンプルです。このため、スタートアップから大企業、さらに官公庁まで、幅広い組織で導入されています。従来、多くの本格的なWebサイト制作はコーディングを伴っていました。しかし、STUDIOの登場により、複雑なデザインや機能の実装がノーコードで可能となりました。この利便性から、サービスサイトやコーポレートサイトでの採用が増えてきています。STUDIOでWebサイトを制作する際のメリットやデメリットは、以下の通りです。メリットオリジナルのデザインを実装できる制作と保守・管理のコストを抑えられるシンプルかつ、直感的に操作できるデメリット一部の機能やカスタマイズの制限がある使いこなすのに一定の学習期間が必要STUDIOの利用には明確なメリットが数多く存在しますが、一方で考慮すべき点も存在します。目的や要件に応じて導入するのが良いでしょう。STUDIOでできることでは、STUDIOを活用すると具体的にどんなことができるのでしょうか?STUDIOの主な機能や使用方法を紹介していきます。①オリジナルデザインの実装STUDIOを利用することで、一部の高度なアニメーションを除けば、ビジネスやサービス向けのサイトに関して、多くのデザイン要望をスムーズに実現できます。テンプレートに縛られず、白紙のキャンバスから始めてゼロベースでデザインを自由に構築することができるのです。ボックスレイアウトという方式を採用しており、テキストや画像のボックスを組み合わせてオリジナルのデザインを作り上げます。実際に、弊社のデザイナーはFigmaなどのツールを使ってデザインカンプを事前に制作し、それをSTUDIOにて再現しています。②簡単に更新アップデートができるSTUDIOを使用すると、画像やテキストの編集が非常に直感的に行えます。ユーザーフレンドリーなインターフェースにより、特別な技術的知識や経験を持たない方でも、サイトの内容を簡単に更新できます。この利便性のおかげで、以前はエンジニアや外部の制作会社に依存していたタスクも自らスムーズに遂行できるようになります。これはサイト運用のコスト削減や、情報の迅速な更新・変更の実現につながる大きなメリットとなります。③SEO対策「STUDIOはSEOに弱いのではないか」という懸念が一部に存在しますが、STUDIOを使用すれば十分なSEO対策が実行できます。確かにWordPressとの比較では設定項目に制約があるかもしれませんが、STUDIOにはHTMLタグの設定、サイトマップ、そして構造化データをサポートする機能が備わっています。具体的な対策としては以下の通りです。ページのタイトルやディスクリプションの設定HTMLタグの最適化404エラーページの設定サイトマップの生成・送信画像の代替テキストの追加これらの内部対策を、高品質なコンテンツや適切な外部対策と組み合わせることで、STUDIOで作成されたサイトも検索エンジンの上位表示を目指せます。④独自ドメインでの運用STUDIOを使用すると、ルートドメイン(例:nock-design.com)やサブドメイン(例:blog.nock-design.com)の独自ドメインでサイトを公開することができます。ドメインの接続の際、お使いのドメイン管理サービス上でDNSのAレコードをSTUDIOに設定する必要があります。この設定は簡単に行えるものの、反映までに時間がかかる場合やダウンタイムの発生、メールサーバー設定への影響を考慮する必要があります。また、サイトはSTUDIOのサーバー上で公開されるため、別のレンタルサーバーを用意する必要はありません。※独自ドメイン接続の注意点現行のサイトをSTUDIOに移行する際には、24時間〜48時間程度のダウンタイム(サイトにアクセスできない時間)が発生する可能性があります。アクセス数が比較的少ない祝日や夜間などの時間帯での移行をおすすめします。さらに、STUDIOに接続する独自ドメインのメールアカウントを使用している場合、メールの送受信に問題が生じる恐れがありますので、接続の際は十分に注意してください。⑤セキュリティ対策が手間いらずWordpressはオープンソースツールとして無料で提供されていますが、自前でサーバーを設定し、適切なセキュリティ対策を継続的に行う必要があります。ウイルスなどの攻撃を受けた場合、サイトを正常な状態に復旧するための高額な費用がかかることがあり、継続的な保守管理も不可欠です。一方、STUDIOはサービス型として提供されているため、セキュリティに関する心配や手間はほとんど不要です。もしセキュリティ上の問題が発生しても、STUDIO側が即座に対応しますので、ユーザーは安心してサービスを利用できます。⑥外部フォームの組み込みが容易STUDIOにはフォーム作成の機能が備わっていますが、MAツールなどを使用して外部のフォームを利用する際も、管理画面から簡単にフォームを埋め込むことができます。特別なコードを書くことなく、フォームのページをスムーズに実装することが可能です。⑦動画、資料の埋め込み直接のアップロードはできませんが、動画であればYouTubeやVimeo、資料に関してはスライドシェアやSpeaker Deckのような外部サービスを利用して、お知らせなどのコンテンツに容易に組み込むことができます。STUDIOでできないこと続いて、STUDIOでは実現できないことを解説しています。①自動送信メールのカスタマイズが必要STUDIOの標準機能での自動返信メール設定はサポートされていません。しかし、Zapierと連携することで可能です。詳細はまた当サイトで解説いたします。②スマホやタブレットでの編集が不可STUDIOは現段階でPC専用となっており、スマートフォンやタブレットでは編集操作ができません。③ログイン機能の実装が不可STUDIOでは会員登録やログイン機能を持つウェブサイトの制作は対応していません。④対応ブラウザのコントロールが出来ないSTUDIOで制作されたサイトの表示に関する詳細なコントロールやカスタマイズは難しいことがあります。特に古いブラウザや一部の環境での動作保証は難しくなる場合が考えられます。もちろん、多くの現代ブラウザにはしっかりと対応しているので、通常のWebサイト制作では問題ない性能を提供します。しかし、特定の環境に特化したサイト制作を考えている場合、この制約を理解して利用することが推奨されます。⑤サブディレクトリでの運用ができないサブディレクトリとは、ウェブサイトのURLの後ろの「/」に続く部分を指します。具体的には、「example.com/blog」の「/blog」がサブディレクトリに該当します。STUDIOは特定のウェブサイトの構造や階層的なコンテンツ管理に制約があるため、大規模な企業サイトやブログを主体とするコンテンツサイトの運用を検討している場合、この点を考慮する必要があります。⑥ページャー(ページネーション)の実装不可多数のコンテンツを分割表示するページネーションはSTUDIOのCMSでサポートされていません。多数の記事表示には「もっと見る」ボタンの利用を推奨します。⑦複雑な検索機能は実装できないSTUDIOでの高度な検索機能の実装は一定の制約があります。基本的なサイト内検索やカテゴリによる絞り込みは可能ですが、複数の条件を組み合わせた詳細な検索や、複数項目を同時に絞り込むような高度な検索は難しいです。 例えば、製品の特性、価格範囲、ユーザーレビューを併せての商品検索や、多角的な条件の情報フィルタリングが求められるECサイトなどでの運用の場合、STUDIOの基本機能のみでは十分な対応が難しい場合があります。⑧カートや決済機能を作れないSTUDIOでのカート、決済機能の制作はサポートされていないため、ECサイト制作には向いていません。外部ツールの利用が必要です。⑨複雑なアニメーションの実装不可フェードイン、スライド、アコーディオン、モーダルなど基本的なアニメーションは可能ですが、スクロールに連動する高度なアニメーションは対応していません。まとめSTUDIOは注目のノーコードツールとして多くのユーザーに選ばれています。このツールの特徴やできること、できないことなどご紹介しましたが、それでもなお疑問や不明点がある場合は、ぜひお気軽にご相談ください。無料でのご相談も受け付けております。また、STUDIOは日々進化を続け、アップデートが行われているため、制約や機能についての最新情報もご提供できます。あなたが実現したいサイトのコンセプトやデザイン、機能などの要望をお聞かせください。私たちの経験豊富なメンバーが、丁寧にヒアリングを行い、最適なサイト構築のアドバイスやサポートを提供します。あなたのビジョンや課題を解決するための最適なWebサイト作成を、一緒に目指しましょう。